珍しい鳥に出会ったら?

日本野鳥の会滋賀が考える鳥観察情報のガイドライン

バードウォッチングの醍醐味のひとつは、自分が未だ見たことの無い鳥に出会うことだと思います。日本全国で観察できる鳥は、滋賀県でもその半数近くの鳥の観察記録がありますし、羽をもち、自由に飛ぶことができる鳥ですから、「珍鳥」が、目の前に現れる可能性は常にあるはずです。図鑑や自身の経験、様々な媒体から得られる情報を頼りに探索し、比較的観察することが難しい鳥に出会うことができた時の喜びはひとしおです。そのような場合、ついつい鳥見仲間に伝えることを真っ先にしがちですが、情報が思わぬ拡散をしてしまうと、野鳥そのものや地元(住民や環境)に大きな迷惑が掛かってしまう場合があります。様々な考え方があろうかと思いますが、正しい観察記録を残しつつ、「野鳥」と「地元」を最優先に考え、行動することが大切であると我々は考えます。日本野鳥の会滋賀の考える、「珍しい鳥の観察情報ガイドライン」について下記したいと思います。

「珍しい鳥」とはどんな鳥?

  • (1) 野鳥の会滋賀として、「珍しい鳥」とは、野鳥の会滋賀発刊の目録 『滋賀の鳥2015 』 で
    • ▲・・観察例が少ない種 、×・・観察例が極めて少ない種   と定義されている鳥を指すこととします。
  • (2) (1)以外に人気度の高い鳥や、初記録の種(目録に記載の無い種)など、上記に合致しない鳥も「珍しい鳥」として、情報管理すべき場合が多くあります(特に繁殖の記録など)。

「珍しい鳥」に出会ったら!?

〇やるべきこと

記録を残しましょう。
  • ・見た野鳥の種類(性別や年齢など)、不明なら「大きさ」や「色」、「その他の特徴」をできるだけ書き留めましょう。
  • ・いつ、どこで見たかの詳しい情報も記録しましょう。
  • ・可能なら写真を撮りましょう(識別の決め手になるレベルで良いです)。
  • ・記録は貴重です。野鳥の会滋賀の鳥情報へ連絡ください。

×やってはいけないこと

リアルタイムにSNSなどで情報を流さないこと
■不用意な情報の拡散は避けたほうがいいでしょう。野鳥の会滋賀の鳥情報アドレスにご連絡をいただければ、より適切な対応を一緒に考えさせていただきます。
野鳥の会滋賀に頂いた情報については、滋賀県での観察鳥の記録に残すと共に、役員会での意思決定*の後、会報「におのうみ」での公開など、野鳥・地元に配慮した形で公開します(期間は1~3か月後※)。
もちろん、その場合も発見・報告された方への許諾の上で掲載します。
※ 多数の観察者、撮影者が訪れても大丈夫かを検討します。野鳥の生息を脅かす恐れがある場合や、地元に迷惑がかかる可能性がある場合は情報を公開しません。
※ 冬の水鳥など、状況によっては多くの方に観察してもらえるよう早めに公開する場合もあります。

☆ 注意するべきこと

  • (1)バードウォッチャー以外の見物人や付近の住民にも親しく接し、必要に応じて何を見ているか、などを説明しましょう。
  • (2)観察・撮影の際は、他の人より前に出てはいけません。鳥に近寄らず、双眼鏡、望遠鏡、望遠レンズを活用しましょう。
    • →スコープなどを積極的に活用し、他の観察者や見物者にも見てもらうと情報が共有できて素晴らしいです。
■多数の観察者、撮影者が訪れても大丈夫かを考えましょう。野鳥の生息を脅かす恐れ(特に繁殖中など)がある場合や、地元に迷惑がかかる可能性がある場合は情報を公開しないことをまず考えることが無難です。

珍しい鳥として該当していても、オオワシや冬の水鳥のように、比較的鳥にストレスを与えず、観察ルールが整備できる場合では情報開示しやすいですし、逆に夏鳥のように繁殖のために飛来しているような鳥、及び繁殖地に関しての情報は、たとえ普通種であっても極めて慎重に扱うべきであると考えます。

滋賀の探鳥
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