本日、琵琶湖博物館共催で定例・下物探鳥会が行われました。担当者Moさんからの報告です。琵琶湖博物館の観察会に申し込んで参加された方が31名、博物館側のスタッフの方が14名(博物館職員のほかに、はしかけグループや展示交流員、教師塾の大学生の皆さん)および野鳥の会の探鳥会参加者20名の総勢65名という大人数の探鳥会になりました。  天気は晴天に恵まれましたが、南からの風が始終強く吹き続け、小鳥類はほとんど姿が見えず、遠いところで高い波の間に見え隠れするカモ類を望遠鏡で見てもらうような状況で、もっとゆっくりと見ていただきたかったのですが、残念なコンディションでした。 望遠鏡で遠くにしか見えませんでしたが、赤野井湾の消波堤の沖には1000羽を越えるミコアイサの大群が密集しているのが見られました。また、田圃ではチョウゲンボウなどの猛禽の姿が見られました。 風が強く、辛い日となりましたが、琵琶湖博物館との共催のおかげで、今日は琵琶湖博物館のセミナー室に入って椅子に座ってゆったりした気分で鳥合わせを行うことができました。

天気:晴天 気温:5~12℃ 時間:9:35~12:30

「出現鳥」

カイツブリ、ハジロカイツブリ、カンムリカイツブリ、カワウ、ダイサギ、アオサギ、マガモ、カルガモ、コガモ、ヨシガモ、オカヨシガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモ、ミコアイサ、トビ、オオタカ、チュウヒ、コチョウゲンボウ、チョウゲンボウ、キジ、バン、オオバン、ケリ、ハマシギ、ユリカモメ、セグロカモメ、カモメ、キジバト、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、ツグミ、ウグイス、メジロ、ホオジロ、アオジ、オオジュリン、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス 49種類およびドバト  

琵琶湖博物館前に集合湖岸からの観察 田畑を廻った後、赤野井湾へ

対岸の比良山系には雪が遠くに水域にミコアイサの群れが 可愛いモズ、何かくわえています

帆翔するチュウヒカラスにからまれたチョウゲンボウ ハスの群生の中にマガモ

                      探鳥会写真:akasyoubin 野鳥写真提供:Sさん

 午後からは天野一葉さんによる講演「アオコをはこぶ水鳥」を聴きました。講師の天野さんは京都大学生態学研究センターの研究員の方で、琵琶湖博物館の特別研究員でもある方です。  水の汚れが進んだ池や湖では、「アオコ」といって、藍藻類に属する植物プランクトンが大発生して湖水の水面の色が緑色のペンキを流したように染まる現象が起きます。琵琶湖では1980年代と比べると、近年は発生件数が減っていますが、それでも南湖の湾入部などで毎年のように発生しています。今年の秋は北湖でも発生が認められました。このアオコの原因となる藍藻類植物プランクトンにはミクロキスティス属やアナベナ属などの仲間がいますが、全世界的に同じ種類が分布しており、遺伝子レベルで見ても地域による差は無いそうです。  なぜ、遠く離れた池や湖に同じ種類のプランクトンなどの水生生物が見られるのか?という疑問に対する答えとして、水鳥などの鳥類が体の表面や、くちばしの中、あるいは餌と共にお腹の中に入れて運んでいるのではないかということは、ダーウィンの時代から考えられていたことですが、それを実際に確かめるのは大変なことです。  天野さんは鳥の糞を採取したり、鳥を捕まえて体の表面を洗った洗浄液を調べたりして、アオコのプランクトンの存在を確認し、水鳥がその役割を果たしていることを確かめておられるというお話でした。水鳥の体の表面に付いたアオコのプランクトン(ミクロキスティス)は飛行中に乾燥して死んでしまうかも知れませんが、実験的にカモに飲み込ませたアオコのプランクトンの細胞は、24時間後くらいまでの間に糞とともに体外に排出され、2~4時間後に糞とともに出てきた細胞を培養すると、生き残っていて増えることがわかったとのことで、一日飛び続けるとすると最大1500kmも移動可能なガンカモ類の飛行能力とあわせて考えると、少なくとも300kmくらいの距離は水鳥のお腹に入ったまま運ばれるだろうということでした。  講演の中で、水鳥がアオコのプランクトンを体につけているかどうか調査するために、水鳥を怪我をさせないようにどうやって捕まえるのか、無双網や素手で捕まえる様子を動画で紹介されていましたが、餌でおびき寄せた水鳥を一瞬の内に素手で捕まえる様子はちょっと衝撃的でした。

琵琶湖博物館での講演講師の天野一葉さん 講演の様子

講演の写真:akasyoubin